大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和31(オ)431 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人葛西千代治の上告理由は本判決末尾添付の別紙記載のとおりであり、

これに対する当裁判所の判断は次のとおりである。

第一点について。

本件甲第一号証には本件債務がいわゆる分割債務たることを示すべき文詞が記載

されているわけではないから、原審が同号証のほか原判決挙示の各証拠を綜合して

論旨引用の如き事実認定をしたからといつて、書証の文詞を無視した違法があると

はいい難い。また、右事実認定により上告人は約定にもとづき不可分的に金五万円

を給付すべき債務を負うものであることを知るに足りるから、上告人の法律上の責

任の性質はおのずから明らかである。されば、論旨はすべてとり得ない。

第二点について。

所論分割債務の主張は、原判決の引用する第一審判決事実摘示中に明らかに摘示

されて居り、これに対し原判決はその理由中において上告人は本件金五万円全額弁

済の責に任ずべき約定をしたものと認められる旨判断しているのであつて、これに

より右主張はおのずから排斥されたことが明らかである。されば、原判決には誤解

にもとづいて上告人の主張を排斥した違法はなく、論旨は理由がない。

よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとお

り判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

- 1 -

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!